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精油の正しい選び方&楽しみ方

精油にはたくさんの種類があり、使い方や作用、効果効能も様々です。今回はそんな精油の選び方とその楽しみ方をご紹介します。

1.精油の正しい選び方

精油とは、植物の花や葉、種子、果皮、樹皮などから抽出された芳香成分です。

古代エジプトではクレオパトラがジャスミンの花を漬けたオイルを愛用していたり、医療や化粧、ミイラの防腐処理のためにミルラ(樹脂精油)やシダーウッド(樹木精油)、フランキンセンス(樹脂精油)などが使われていたという説も残されています。

このように、古くから人々の生活に深く関わってきた植物の香りですが、今では原料となる植物は約3,000種以上あると言われており、その中でも精油として使われているものは約200種あります。

そんな数多くある香りの中から自分に合ったアロマを探し出すのはとても大変ですが、ポイントを押さえれば意外と簡単に始めることができますよ。

ポイント1 天然の精油を選ぼう

市販されているアロマには、100%植物から抽出された天然香料と、オイルなどを合わせた合成香料があります。(コラム:天然香料と合成香料の違いとは?で詳しく説明しています。)

精油を選ぶときには、精油名、学名、原産地、抽出方法が記載されているかをチェックします。輸入元や製造元、製造年月日などの情報も大切です。

ポイント2 遮光瓶に入っているか

天然の精油は、光や熱によって成分が変化しやすいため、茶色や青色の遮光性のあるガラス瓶に入っています。
購入後も高温多湿を避け、日光の当たらない場所で保管するようにしましょう。

ポイント3 好きな香りを見つけよう

アロマを楽しむには、自分にとって心地よいと感じる香りが大切です。購入する前にいくつか精油を選んで、香りを試してみましょう。

瓶に鼻を近づけて直接香りを嗅いでしまうと、刺激が強すぎて本来の香りを感じることができません。香りを試す場合には、鼻から少し離れたところに瓶を持っていき、軽く左右に振って香りを空気中に広げてみましょう。
一度にたくさんの香りを嗅ぐと香りを感じる感覚が鈍ってきてしまうため、3〜5種ほどに留めておきましょう。

2.精油の楽しみ方

精油は、香りを鼻で感じる「芳香浴・吸入」から、入浴に用いる「沐浴」、肌につけて鼻と皮膚の両方から感じとる「マッサージ・湿布」など様々な楽しみ方があります。
ご自分にあった精油の楽しみ方をぜひ見つけてみてください。

<芳香浴・吸入>

精油を空気中に拡散させて、香りを楽しむ方法です。
鼻から香りを感じとる芳香浴は、特別な道具を使わなくても手軽に取り入れることができます。心や体をリラックスさせて、ゆったりとした気持ちで楽しみましょう。

■主な方法

・ティッシュペーパーやコットン、ハンカチに精油を1〜2滴垂らして、鼻に近づけて深呼吸。
※精油が着色する場合があるので、ハンカチに使用する際には注意が必要です。

・お湯をはったマグカップに精油を1〜2滴垂らして、みぞおちあたりでカップを持つ。
※香りがカップに残る場合があるので、食事用とは別に用意をしてください。

・アロマディフューザー、アロマキャンドルを使う。

・耐熱性の洗面器などに熱湯を入れ(火傷に注意)、精油を5〜6滴垂らしてからバスタオルを頭からかぶり、立ち上る蒸気を顔に当てながら吸入する。(3〜5分ほど、心地よいと感じる程度)
※喘息の人や、咳が出ている時は控えましょう。

<沐浴>

温かいお湯の湯気に精油の香りを移らせて、相乗効果で香りを楽しむ方法です。
精油には様々な成分が濃縮されており、直接お肌につけることは原則NGとされています。沐浴の場合には、精油をおちょこ1杯分程度の無水エタノールや植物油としっかりと混ぜてから、湯船のお湯に落としてよくかき混ぜます。

香りを感じるとともに血行がよくなるので、リラックス効果が期待できます。
※刺激を感じた場合にはすぐに使用を止め、十分に洗い流しましょう。

■主な沐浴方法

・全身浴
はじめは精油1滴から。慣れてきたら3〜5滴までご自身で調節してください。
精油は香りの広がりが早く、持続時間はおよそ30分。途中で追加しても問題ありませんが、10滴を超えないように注意してください。

リラックスしたい場合には、お湯の温度は少しぬるめの38℃くらいに設定し、ゆっくり時間をかけて入るのがおすすめです。

・半身浴
やり方は全身浴と同じですが、全身浴に比べて湯量が少ないため、精油は多くても3滴までにしましょう。

・足浴

大きめの洗面器やバケツに、少し熱め(42〜43℃くらい)のお湯をくるぶしが浸かる程度に入れていきます。精油は2〜3滴を目安にしてください。
5〜20分ほど足を浸けてあたためていきましょう。冷え性やむくみが気になる方にもおすすめです。

・手浴
洗面器に少しぬるめのお湯を手首が浸かる程度に入れ、精油を2〜3滴ほど垂らします。
よく混ぜてから5〜10分ほど手を浸けてあたためていきましょう。
指や手をほぐすようにマッサージをするとより効果的です。

<マッサージ・湿布>

香りとマッサージの相乗効果で、リラックスするだけでなく、コリの改善、血行促進など嬉しい効果が期待できます。
マッサージで痛みを感じる場合には、タオルを用いて湿布をするのも効果的です。

・マッサージ
精油をマッサージに使う時は、必ず植物油などに希釈してから使用してください。
乾燥が気になる方は、ホホバオイルやマカデミアナッツオイルを、さっぱり感がお好きな方は、スクワランオイル、グレープシードオイルなどがおすすめです。

精油の濃度の目安は1%未満です。それ以上濃いとお肌を刺激するなどのトラブルにもなるので、濃度はきちんと守りましょう。

専用のビーカーに植物油30mLに対し精油6滴(1%の濃度で作る場合)を入れて、ガラス棒でよく混ぜたらマッサージオイルの完成です。保存容器に移し替え、1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。

<オイルの計算方法>

① 30mL(植物油の量)× 1.0%(希釈濃度)=0.3mL(精油の目安量)
② 0.3mL ÷ 0.05mL(精油1滴の量)=6滴(精油の滴量)

専用のビーカーがない時は、料理用の小さじを応用しても良いでしょう。
蓋付きの保存容器があれば植物油と精油を振って混ぜ合わせることができ、そのまま使えるので手間もかかりません。

出来上がったマッサージオイルは、体が温まった状態で使用すると効果を感じやすいので“入浴後” に使うのがポイントです。
適量を手のひらに取り、体の気になる部分を揉む・さする・指圧するなどして筋肉のコリをほぐしたり、リンパや血液の流れを促していきましょう。
オイルマッサージは、フェイスライン、ネックライン、ヘッド、ヒップ、フットなど全身に使用することができます。
ただし、皮膚の薄い顔まわり、傷や炎症がある部位、湿疹やかゆみなど刺激を感じる部分は避けてください。

・湿布
精油を使用した湿布は、痛みやコリの症状を緩和させるのに効果的です。
肩こり・腰痛・生理痛には温湿布、捻挫・打ち身・クールダウンには冷湿布がおすすめです。

洗面器にお湯(50℃ほど)または冷水(10〜15℃ほど)を入れ、精油を1〜2滴垂らします。小さめのタオルを浸して精油を染み込ませたら、たたんでギュッと絞りましょう。これを体の気になる部分に当てて、10分ほどキープします。
お湯の場合は火傷に注意してくださいね。

3.精油を使うときに気をつけたいこと

精油は心にも体にも良い効果をもたらしますが、正しく使用しないと体に悪影響を与える可能性があります。安全に楽しく使うために、注意したいポイントをご紹介します。

①精油の原液を直接肌に付けない

精油は植物から採れた成分が凝縮されているため刺激が強く、原液が直接肌についてしまうと皮膚から毛細血管に入り込み、全身にまわって消化器官、肝臓・腎臓に害を及ぼすとも言われています。

マッサージなどで皮膚に使いたい時には1滴(約0.05mL)の精油に対し、約5mLの植物油やフローラルウォーターなどで薄めてから使用してください。
敏感肌の人や顔などの皮膚の薄い部分に使用する場合には、もっと薄めて様子を見ながら使用しましょう。

②パッチテストを行う
精油には様々な成分が入っているため、種類や体質によっては皮膚に刺激を感じたり、アレルギーなどの症状を引き起こす場合があります。特に敏感肌の人、アレルギー体質の人、体調不良の時には注意が必要です。
はじめて使う時には必ずパッチテストを行いましょう。

<パッチテストの方法>

・使用したい精油を植物油などのキャリアオイルで1%に希釈する。

・肘の内側など目立ちにくい箇所に、作ったオイルをコットンなどで塗布する。

・24時間放置後、塗布した箇所に赤みや痒みなどの異常がないか確認し、なければ精油の使用は可能です。

③光毒性の精油には注意する

レモンやグレープフルーツ、ベルガモットなどの柑橘系の精油は、日光や紫外線に当たることで炎症を引き起こす「光毒性」(ひかりどくせい)を持つものがあります。
希釈したものでも、肌につけた部分に日光が当たるとシミや赤く腫れるなどの肌トラブルが起こります。
皮膚に光毒性のある精油を使用した場合には、5〜6時間は日光に当たらないように気をつけましょう。外出前や日中の使用は控え、夜寝る前などに使用すると良いでしょう。

④使用期限をきちんと守る

精油の品質保持期間は、未開封の場合で3〜5年、開封後は約1年が目安です。
ただし、オレンジやレモン、グレープフルーツなどの柑橘系の精油は酸化しやすいため、開封後半年以内が目安となっています。
精油は劣化すると香りや成分が変化していきます。一定期間使わなかった場合には、ティッシュペーパーなどに1滴垂らして、香りや色を確かめてから使用するようにしましょう。
一方、ベチバーやパチュリは、年月が経つにつれて香りに深みが増し、品質が良くなると言われています。
パッケージや瓶のラベルに品質保持期限が記載されているものもあるので、合わせて確認するようにしましょう。

⑤保管場所に気を付ける

精油は日光に当たると成分が変わったり劣化する可能性があるので、必ず遮光瓶に入れ、木製のケースなどで保管するようにしましょう。また、保管する場所は高温多湿を避け、風通しの良い冷暗所が最適です。
お子様やペットがいる場合には、手の届かないところに置くようにしましょう。

精油の正しい選び方・使い方をマスターすれば、誰でも簡単にアロマライフをはじめることができますよ。暮らしに香りを取り入れて、毎日をもっとハッピーに過ごしましょう。

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