香りと旅して

香り

時間で「香りの印象」が変わる?

香水やボディミストなどを身につけていると、朝と晩で香りが違うと感じたことはありませんか?また、お気に入りの香りをつけたのにあまり気づかれない、たくさんつけすぎてかえってキツい印象になってしまった…など香りに関する失敗を一度は経験した方も多いはず。
そこで今回は香りの持続時間やつけ方、特徴などを知り、効果的に香りを楽しむ方法をご紹介します。

1.香りとは

ひとことに「香り」と言っても、わたしたちが感じとる香りは、何十、何百という数の香料を混ぜ合わせて作られています。
香りは、香料が揮発することで広がっていきますが、この揮発度の違いで、感じとる香りやその印象が変わっていきます。

フレグランスのボトルを開けた瞬間や香水を身体につけた時に感じる甘い印象と、時間が経過するにつれて変化する華やかな香り、まろやかな香り…と、香りの変化を感じた経験があるかと思います。
このように香りが移り変わることを「香り立ち」または「匂い立ち」といいます。
「香り立ち」も香料それぞれの揮発度の違いによって、高いものから低いものへと移り変わっていくことで発生するのです。

この変化の様子を表す時に用いられるのが、香りの「ノート(香調)」です。
ノートは、大きく3段階に分けられ、それぞれ「トップノート」「ミドルノート」「ラストノート」といわれています。

2.3段階に分けられる香りのノート

トップノート(ヘッドノート)
香りを嗅いだ時に一番最初に感じる香り。5~10分くらいで香り始めます。
香料の中でも揮発性が高く、その香りの第一印象を決める役割があります。
ベルガモットやレモンなどの柑橘系、葉っぱを感じる緑の若々しい香り、フルーツ系などが主に使われます。

ミドルノート(ハートノート)
数種類の香りが調合される上で最も核となる重要な部分。30分~2時間くらいで香りを感じます。
香りの個性が現れる部分で、調香師の思いや表現したいイメージが一番強く感じられます。

ラストノート(ベースノート)
トップノートが香ってから、2時間以降~香りが消えるまでの残り香のことをさします。
香水では、つけている人の肌の上で香るため、香りをまとった人のオリジナルの香りとなります。
揮発力が弱く、持続性の高いムスク、アンバー、サンダルウッド などが知られています。

※香り立ちが変化する時間経過は調香によって異なるため、一般的な時間を記載しています。

香りの変化を3段階で表す方法は世界でも用いられており、クラシカルなフレグランスから最新のフレグランスにも使用されています。

店頭で香水を選ぶ際には、ぜひ自身の手首の内側に少量つけ、実際の香りの変化を感じてみてください。
トップ~ラストまでの香り立ちを自分の肌で確認することで、お気に入りの1本に出会うことができるかもしれません。

3.香り付けにおすすめの部位

香水をつける部位としてポピュラーな手首の筋や耳の後ろ、うなじには、太い血管が通っており、血管の温度で香りが揮発しやすく、香りをより感じやすくなります。
しかし、揮発しやすい=すぐに香りがなくなってしまうからといって、香水を過度につけてしまうと周囲にきつい印象を与えてしまうのでご注意を。

香水は一度指先や手のひらに乗せてから各部位につけていくと、つけすぎ防止になりますよ。

さりげなく香りを楽しみたい時には、胸から下に香りをつけると上品に香ります。
ひざの内側や足首など、体温が低い部分につけてみましょう。
外出の30分~1時間前までに香りをまとっておくと、素肌に馴染み、優しくまろやかな香り立ちが楽しめます。

普段、自分が使っている香りがどんな香り方・変化をするのかを知っているだけで、香りとの付き合い方が変わるはずです。
今回は香水を事例にご紹介しましたが、お部屋で使っているルームフレグランスにも香りのノートは当てはまります。
どのような香りを楽しみたいか想像を膨らませながら、フレグランスライフをお楽しみください。

参考サイト
フレグランスのABC | 日本フレグランス協会

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