香りと旅して

社員コラム

香りとお酒

皆さんは食事や飲み物を飲むとき、味覚だけではなく嗅覚でも美味しいと感じた経験はありますか。香りは楽しく飲食をする以外にも、様々な役割があるようです。
今回は、最近私がハマっているBARで出会った“ある香り”についてお話ししたいと思います。

味覚と嗅覚

こんにちは!香りとお酒が大好きな仕入部のSです。
まず初めに難しい話をするのですが・・・味覚と嗅覚は密接に結びついています。
味覚は味を識別し、鼻の神経は匂いをかぎ分けます。これらの感覚はともに脳へと伝達され、脳がその情報を結合することにより、風味として認識され、その美味しさを味わうことができるそうです。

(味覚と嗅覚の関係って奥深くて面白いですよね!)

BARで出会った香り

私は最近、BARに行くことが日課となっています。

よく行くのは某駅近くにある小さなお店なのですが、細長いカウンターに8人ほどが座れるようなところで、今では珍しい煙草や葉巻がOKなところです。

いつもここで「マティーニ」というお酒を頼むのですが、これはジンとベルガモットで作られたカクテル。キリっとした爽快感のある味わいの中に、ほのかに甘みを感じるお酒です。(度数が強いのでいつもチェイサーと一緒に頼みます。)

ある日、いつもとは違うお酒を飲んでみたいと思い、マスターに1番のおすすめのカクテルを作ってもらうことにしました。

しばらく経って、マスターが差し出してくれたお酒。どんな味なのだろう、とワクワクして顔を近づけると何やら不思議な香りが。
マスターに聞いてみると、なんとそれはコーヒーをベースにしたマティーニだったのです。

どんな味がするのか、作り立てのコーヒーマティーニをいざ飲んでみると・・・
今まで鼻についていた煙草の香りや、前に飲んでいたお酒の香りがあっという間に消え、コーヒーの香りで新鮮なカクテルの味が舌に伝わり、美味さが溢れ出しました。

マスターにこのカクテルを作った経緯を聞いたところ、

「コーヒーは嗅覚をリセットさせる効果があるから、よりカクテルの味や香りを感じてもらえるんじゃないかと思って作ってみたんだ。」とのこと。

チェリーとカクテルの色味が綺麗!

このBARで出会ったコーヒーマティーニは、市販のインスタントコーヒーを使用して、カクテルをパックで漉(こ)したものをシェイカーに入れ目の前で振っていました。

今思えば、漉した時の香りとシェイカーで振った時の香り、そして飲むときの香りの3段階で、鼻はリセットされていたのかもと思ったりしています。

これからのモノづくりへの意識

私は仕事柄、日本国内の香りを探し、商品開発を担当しているので、何十種類という香りを嗅ぎ比べていることがあります。
嗅いでいるうちに、何の匂いか分からなくなってしまうこともしばしば。

そこで、嗅覚を戻すために”コーヒー豆”をよく嗅いだりしています。コーヒーが嗅覚のリセットに使われることは知っていましたが、お酒でも同じことが適用できるという斬新な発想に、自分の考えを改めさせられた気がしました。

今後はただモノを作るのではなく、”いろんな視点からヒントを得たものづくり”を意識していきたいと思います。

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