香りと旅して

香りと旅して

【沖縄県】冬の沖縄で南国気分と食文化を満喫♪

編集部2名による“香り旅”。第三弾は、月桃の香りを求め沖縄の地へ。
冬の沖縄で、南国気分を味わえるスポットや美味しい食についてご紹介します。

植物に囲まれる「美らヤシパークオキナワ・東南植物楽園」

沖縄自動車道沖縄北ICを降りてすぐにあるこちらの植物園。
南国の植物や動物たちと触れ合える場所として地元の人も訪れる人気のスポットです。

実は、沖縄に1年ほど住んでいたことがあるのですが、ここに来るのは今回初。

一体どんな”香り”が待っているのだろう。
探究心とおニューのカメラを持っていざ入園です。

水上楽園エリアの大きな噴水を過ぎると、早速「バオバブの木」がお出迎え。
アフリカなどの砂漠地方の写真によく写っている、あの大きな高木です。

名前は知っているけれど、近くで見るのはもちろんはじめて。

さすがは、バオバブ。葉っぱは、頭上のはるか上。
木の幹を擦ったりして香りを探しましたが、香りはほぼ感じません。

その代わり面白い発見がありました。

よ〜く見ると、木肌には小さなトゲトゲがたくさんついています。
触ったら絶対痛いやつ。何か意味があるんでしょうか。

パシャパシャといろいろな植物の写真を撮りつつ、次の場所へ。
向かう途中でついに見つけました、ハイビスカス!

沖縄では「アカバナー」の名で親しまれ、冬でもキレイに花咲きます。
街中を歩いていても至るところで見かけるアカバナー。見ているだけでなんだか心が温かくなる気がします。

一面に咲いたハイビスカス

ハーブティーや化粧品にも使われることの多いハイビスカス。
甘酸っぱい香りをイメージしていたのですが、実際の花は、ほとんど無臭に近い。

生のお花の香りを探し歩くなんて、”香り旅”ならでは。
色とりどりの植物を眺めながら、ずんずん奥へと進んでいきます。

沖縄の唄にもよく出てくる「ブーゲンビリア」

そしてもうひとつ。沖縄でポピュラーな植物がこのブーゲンビリア。
ブーゲンビリアも沖縄の家の外壁や民家にも植えられていて、沖縄の島唄など曲の歌詞にもよく使われるほど。
(余談ですが、私が真っ先に思い出す歌はMONGOL800の「Bougainbilly」という曲。とても刺さる歌詞です。みなさんにもぜひ聞いて欲しい1曲です。)

必死に背伸びをしております。近い。

いろいろな植物たちに顔を近づけながらクンクンしまくる編集部。
遊歩道を右に左に、ウロウロと手分けしながら進んで行きます。

そんな道中、私たちを象徴しているかのような石像に出会いました。

香りはどこにあるのでしょうか。と聞こえてきそう。

どうですか。
言わずもがなですが、「鼻」のように開いた2つの穴。
ちょっと面白いでしょ。

続いてやってきたのは、こちらの植物。
木の幹を撮影したのですが、幹からは大量の樹液があふれて固まっています。

乾いて黒っぽくなっていますが、液体の状態ではなんと鮮やかな血紅色をしているそう。
それが竜の血に喩えられ、この樹木の名前は「リュウケツジュ(竜血樹)」。
今回は残念ながら、新鮮な樹木はお目にかかれず。

後日、気になったのでネットで検索してみたのですが、これはなかなかのホラー映像。
調べる前には、気持ちを整えることをおすすめします。

そして、ようやく見つけた香る植物。
大きなオクラのような、きゅうりのような不思議な形の実がいくつも垂れたその名も「ロウソクノキ」。

熟した果実は、まるで「林檎」のような甘さを感じられるのだとか。
木の下に立っているだけで、周囲もほんのりと甘い匂いが漂っています。

日本で見られるのはここだけ。「ユスラヤシ並木」に感動

次なるエリア、植物園へ。
ユスラヤシ並木はエリアの一番奥にあるので、手前のハーブ園へ。

残念ながら、こちらも季節違いで咲いている種類は少なかったのですが、ローズマリーやセージの香りを見つけることができました。

ハーブ園を散策していると、なんとも沖縄らしい看板が。
東京で目にしているものと、どこかが違います。

全ての植物のネームプレートにはなんと「方言」の紹介が。なんとも沖縄らしい。
唯一名前を知っているハンダマは、サラダや天ぷらにして食べるとほんのり苦味が広がって美味しいんですよ。

そして、いよいよメインのユスラヤシ並木へ到着。
写真では見ていたものの、実際に訪れてみると圧巻の風景が広がっていました。

高いものでは約20mにもなるというユスラヤシ。
木はまっすぐと上に伸びていて、デコボコとした節のような成長痕を見ることができます。
なんだか生命力のような力強さをひしひしと感じる空間にただただ圧倒された編集部。
何度もこの道を往復したり、木に触れてみたり。

癒しとパワーをいただきました。

最後に、この園の中で一番強い香りを放っていた植物をご紹介します。
こちら、なんだかわかりますか?

トロピカルな「スターフルーツ」です。
手のひらサイズほどもある大きな果実からは、まったりとしたあま〜い香りが。

足元に完熟した実もたくさん落ちていて、これでもか!というくらい、全身でスターフルーツの香りを浴びた編集部なのでした。

これぞ沖縄の郷土おやつ「カーサームーチー」

植物園内や道路沿いにも当たり前のように植えられており、沖縄では馴染み深い月桃の葉。
その活用方法は、精油だけでなく「食」にも。

月桃の葉でお餅を包んで蒸した「カーサームーチー(鬼餅)」は、旧暦の12月8日ごろ厄除けのために供え、家族で食す風習があります。

那覇市にある公設市場や那覇空港のお土産ショップには、通年販売されているところも多く、私もおやつによく食べていた大好きなお菓子。

レンジで柔らかくなるまで温めたら、いざ実食!

やさしい甘さのあるお餅に月桃の香りが移り、鼻に抜けていきます。
伸びるお餅というより、もちもち、ツルツルとした食感です。

月桃の葉で包んだ饅頭「のー饅頭」「テンピヌメー饅頭」、ご飯と一緒に炊き込む「ジューシー」なども親しまれていますよ。

沖縄に訪れた際にはぜひ御賞味あれ!

(補足)
ムーチーのお皿には、沖縄の焼物「やちむん」を使わせていただきました。
職人の手でひとつひとつ絵付けされ、窯で焼かれたもの。
色鮮やかな植物や魚など沖縄らしさ満点です。

1.沖縄の味を詰め込んだブリュワリー「クリフビール」

出発前、沖縄の地図とにらめっこしていた時。
ふと目に入ってからどうしても訪れてみたかった、クリフビールさん。
なんでも、沖縄特有の原材料を使用してビールを醸造しているのだとか。

作り手が見えるクラフトビールが味わえるのももちろんですが、私が一番心引かれたのがこの表情豊かなパッケージたち。
果たして、このイラストは一体誰が描いているのか。
そして、ビールの味とリンクしているのかいないのか。

そんな想いを胸に、訪れてみることに。
宿泊先へ向かう道中の静かな住宅街の中で、ひっそりとお店がOPENしてました。

店構えもとっても素敵。期待が膨らみます。

突撃で伺ってしまったこと、取材をさせて欲しい旨をお伝えすると快く引き受けてくれました。
残念ながら、オーナーさんは不在でしたが、スタッフの方からいろいろなお話を伺うことができました。

ビール醸造は、沖縄の農家さんから仕入れたフルーツの原料の加工からはじまります。

「9月ごろは、山ほど仕入れたドラゴンフルーツやグアバを手作業で加工したので、甘いにおいであふれてましたよ。」

と教えてくれました。

なんとも羨ましいお仕事です。

店内の奥には大きな機械が所狭しと並んでいます。
実際にお客様が買えるビールになるまでは、ここからなんと9週間後。

オーナーの宮城さんは、イギリスに10年ほど留学をしていた時にビール醸造と出会い、沖縄の地で醸造を始めることを決意。
イギリスでは、各家で木のチップにウイスキーを入れ香りを移して楽しむという文化が根付いているそうです。

クリフビールさんの醸造所にも、オークチップの香り付けをしている最中という大きな瓶詰めを発見。

香りに目が無い編集部は、ここぞとばかりに嗅がせていただくことに。
蓋を開けた瞬間、ナッツのような甘さとスモーキーな香りがブワッとやってきました。
これをビールに合わせると、まろやかでこく深い味になるんだそう。

最後に一番気になっていたイラストについてお伺いしてみると…

「あれ、全部オーナーが描いてるんですよ〜」

なんと。
ビール醸造だけでなく、イラストまで手掛けているとは。

味や生産者に思いを寄せながら描かれるというイラストは、それぞれ個性と温かみがあるやさしいタッチ。そして、イラストそれぞれに細かなストーリーが設定されているという徹底ぶり。

これは、ぜひ宮城さんに直接お話をお伺いしたかった。

お土産に、この日冷蔵庫で冷えていた4種を全て購入させていただき、お店を後にしました。

アポなしの突撃取材は初めてでしたが、色々とお話を聞けて本当によかったです。
ブリュワリーを訪れたのも初めての経験。
店内はウッドっぽさとほのかな甘みの混ざった特有の香りに包まれていました。

やさしい空間とやさしい香りに包まれたクリフビールさん。
快く取材を受けてくださり、本当にありがとうございました!

<今回お世話になったところ>
「美ら・ヤシパークオキナワ 東南植物楽園」
沖縄県沖縄市知花2146
098-939-2555
https://www.southeast-botanical.jp/

「クリフビール」
沖縄県沖縄市比屋根6-18-1
098-953-7237
https://www.cliffbeer.jp/

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