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芳香蒸留水(フローラルウォーター)がもつ力とは?

芳香蒸留水とは、植物から精油を抽出する際に採れる蒸留水のことです。
今回は、その芳香蒸留水に注目。概要や使い方、嬉しいメリットなどをご紹介します。

1.芳香蒸留水とは

芳香蒸留水は、植物から精油を抽出する時に得られる水溶液のことを指します。
精油を抽出する方法はいくつかありますが、芳香蒸留水が得られるのは「水蒸気蒸留法*」という方法のみ。
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芳香蒸留水は「フローラルウォーター」「ハーブウォーター」「ハイドロゾル」とも呼ばれていて、その大部分は水ですが、ごく微量の芳香成分が含まれています。
精油に比べるとマイルドな香りなので、敏感肌の方や赤ちゃん、ご高齢の方でも安心してお使いいただけます。

芳香蒸留水は精油を抽出する際に出る”副産物”という扱いで、その多くが捨てられてしまうこともしばしば。しかし、昔は医療にも使われていたほど大変貴重なものでした。
現在では、植物の成分が含まれたその有効性が再認識され始めています。

2.芳香蒸留水がもつ4つのメリット

お肌にやさしい

芳香蒸留水の大部分は水で構成されているため、精油に比べて刺激が少なく、マイルドに作用します。そのため、肌に直接塗布することが可能です。
保湿効果や肌の引き締め、美白効果、かゆみ止めなどの効果があると言われています。※敏感肌やアレルギー体質の方は、腕の内側で試すなど様子をみてから使用しましょう。

香りがおだやか

含まれている芳香成分が微量なため、香り立ちもおだやか。ほのかな香りを楽しみたい時におすすめです。

禁忌が少ない

芳香蒸留水は含まれている精油成分が少ないため、精油自体と比べると、使用する際の禁忌がほとんどありません。(濃度は精油の0.1〜0.01%ほどと言われています。)
そのため、精油では刺激が強かったり、妊娠中は避けなければならない植物でも芳香蒸留水ではほとんどが使用できます。
※100%安全ではありません。
※敏感肌やアレルギー体質の方は、腕の内側で試すなど様子をみてから使用しましょう。

そのまま使える

精油は濃度が濃いため、オイルやエタノール、シアバターなど「基材」と呼ばれるもので希釈してから使用するのが一般的です。
しかし、芳香蒸留水はその必要がないため、手間をかけずに使用することができます。

3.芳香蒸留水の使い方

芳香蒸留水の特徴を踏まえた上で、具体的な使い方をご紹介します。
さまざまな使い方ができるので精油とは違った楽しみ方ができますよ。

化粧水

スキンケアの効能が期待できることから、そのままお肌につけて化粧水として使用することができます。肌質によって芳香蒸留水を使い分けてみましょう。乾燥肌の方はローズウォーター、脂性肌の方はペパーミントウォーターなどがおすすめです。

飲用

芳香蒸留水の中には飲用として使用されるものがあり、白湯や炭酸水と混ぜるなどして楽しむことができます。
しかし、日本では雑貨として扱われているため、飲用水としての普及はまだまだ。
通常売られているものの中には、添加物が含まれていたり、蒸留法が明記されていないものも多いので、むやみに飲むことは避けましょう。

ルームスプレー

スプレーボトルに入れて噴霧するとやさしい香りが広がります。香りが足りない場合は、精油とブレンドするのもおすすめです。芳香蒸留水に香りがあるため、精油は1〜2滴ほどの量で十分楽しめます。

リネンウォーター

芳香蒸留水のほのかな香りと適度な殺菌作用から、そのままリネンウォーターとして使うこともできます。
アイロンがけの前に吹きかけたり、洗濯の柔軟剤代わりとしても使用可能です。

ヘアケア

芳香蒸留水は、髪や頭皮環境にも良いと言われています。
フケ・脱毛予防、栄養補給による育毛、かゆみ止めなどの効果が期待できます。

4.芳香蒸留水を使うときの注意点

さまざまな使い方ができる芳香蒸留水ですが、注意しておきたいポイントを3つご紹介します。

① 保存期間が短い
芳香蒸留水のほとんどが水でできているため、傷みやすく、長期保存ができません。
種類にもよりますが、早いもので約3ヶ月、長いものでも2年ほどと言われています。
劣化が早い分、防腐剤や添加物が加えられているものも多くあるので、こちらも注意が必要です。
開封後はなるべく早く使い切るようにしましょう。期限内に使いきれない時は、入浴剤として湯船に入れるのもおすすめです。

② 無農薬・有機栽培で育てられた植物か
精油を抽出する際に得られる芳香蒸留水ですが、その精油の原料となる植物が農薬を使わずに育てられたものかどうかも大切です。

③ 水蒸気蒸留で取れたものかどうか
芳香蒸留水と謳われている商品でも、中には精油を水で薄めたものやハーブティーも売られており、これは別物です。例えば「ローズウォーター」の場合、成分を見ると「バラ水」「ダマスクバラ水」などの表記がされています。水蒸気蒸留で得られたもの以外は、その効果も期待することはできないので注意が必要です。

今回は芳香蒸留水の基本や効果、使い方についてご紹介しました。
精油に比べて刺激が少なく、用途も色々あるため、精油初心者さんでも簡単に使うことができます。芳香蒸留水を取り入れて、心地よい暮らしをお楽しみください。

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