香りと旅して

香り

花が香る理由と春に楽しみたいフレグランスフラワー

季節が移り気温が上がると、春の風物詩「桜」を筆頭に、ピンクや黄色など色とりどりの花が咲きはじめます。中には、香りを強く感じる花も多く、街中を華やかに香らせます。
花が香りを放つ理由とは?香りが強い花の特徴って?
私たちが何気なく楽しんでいる「花の香り」を、春の花に焦点を当てて深掘りしていきます。

1.花が香りを放つ理由

一言に「花の香り」と言っても、甘い香り・爽やかな香り・少し草っぽい香り…….など様々な香りがあります。

では、なぜ花は香りを放つのでしょうか。
それは、私たち人間のためではなく、「昆虫などに種や実をつくるのを手伝ってもらうため」。
中には、香りのしない花もありますが、これは人間が感じ取れていないだけで、他の昆虫には感じ取れる香りを放っているのです。

花々の香りには、昆虫を呼び寄せて子孫を残すという大きな役割があります。
さらに、呼び寄せたい虫に応じて、昼と夜で香りの放ち方を巧みにコントロールしています。
夜に強く香る花は蛾(ガ)を、昼に強く香る花は蜂などを呼び寄せているのです。

2.花の香りが人間に与える効果とは

花の香りについては、あらゆるところで研究が行われているものの、香りが発生する仕組みについてはいまだに解明されていません。
私たちは日常的に「花のいい香り!」「〇〇の花の香りが好き!」と、その香りを楽しんでいますが、実は奥が深い未知の世界なのです。

花の香りは人の自律神経に働きかけ、リラックスした穏やかな気分にしてくれます。
ストレスを感じている時や疲れている時に花の香りを嗅いで癒された、という経験をした方もいるのではないでしょうか。

ローズなどの甘い香りはストレス緩和に、ラベンダーなどのやさしい香りは安眠(快眠)に、ローズマリーなどすっきりとした香りは集中力UPなど、期待できる効果もさまざまです。

3.春に楽しみたいフレグランスフラワー

ここでは、春におすすめの香り高い花をご紹介します。
ミモザ

春先になると、黄色い小さな綿毛のような花が咲き誇ります。

ミモザは香りの印象が少ない方という方も多いかもしれませんが、実は、天然の香料が抽出できるほど芳香(精油)成分が多く含まれています。

ミモザの香りは、「爽やかさのあるやさしい香り」。ユリやジャスミンのような芳香力が強い花に比べ、ふんわりと柔らかな香り立ちです。
そのため、「素朴でナチュラル」「森を思い浮かべるようなすっきりとした香り」などと表現されることも。

スイートピー

スイートピー=sweetpea (英名で「香りの良いえんどう豆」の意味)と言われるほど、濃厚な匂いを伴い力強く芳香するのが特徴です。

品種や系統によって差があり、バラやヒヤシンスのような女性的な香り、ブドウのようなすっきりとしたフルーティな香り、柑橘系をメインにしたフレッシュグリーンの香りの3つに分けられて楽しまれています。
神奈川県では、1987年からスイートピーの品種育成に取り組んでいて、香りに注目した ”スイートピンク” と ”スイートスノー” を育成しています。
(参考:香りのスイートピーが誕生しました – 神奈川県ホームページ

ヒヤシンス

ヒヤシンスは、トルコやギリシャなどの地中海を中心に生息する球根植物。紫や青、白、オレンジ、ピンクなどの鮮やかな花を咲かせ、春のガーデニングでも人気の花です。

その香りは「グリーンノート」と呼ばれ、春の新緑を連想させる爽やかさが特徴。その中に、ほんのりと甘いエレガントさを持ち合わせています。
ヒヤシンスの香りと相性の良いチューリップや沈丁花、バラ、ジャスミンを合わせた春のブーケは花屋でも人気です。

いかがでしたか。
花が香る理由には、虫を呼び寄せて子孫を残すという大きな役割がありました。しかし、その香りは私たち人間にとっても心地よい効果をもたらしてくれます。

春先は、一年の中でも多くの種類の花が咲き始める頃。
新しい暮らしのスタートに、香りの良い春の花を取り入れてみてはいかがでしょうか。
さらに詳しく知りたい方は、「花のスペシャリストへのインタビュー記事」も合わせてご覧ください。

参考先
【春の花 10選】香りのよい春の花10種類と、春のフラワーアレンジメント作品集/フラワーアレンジメント教室 横浜
春は香り良いフレグランスフラワーを集めたフラワーアレンジメント&花束を

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