香りと旅して

香り

花言葉から選ぶフレグランス

香りは、その日の気分・パッケージ・好みの香りなどで選ぶことが多いですよね。
今回は、数ある「花言葉」の中からフレグランスに主に使われている香りを中心にご紹介していきます。ギフト選びの参考にもぜひお役立てくださいね。

1.恋愛にまつわる花言葉と香り

「乙女の香り」「誘惑」/イランイラン

エキゾチックで、甘くフローラルな香りを放つイランイラン。
甘く濃厚な香りにもぴったりな花言葉ですね。
古くから親しまれているこの香りは、クレオパトラや楊貴妃なども好んで使用していたという説もあります。官能的な香りは、高級フレグランスの原料としても広く使われています。

ロマンチックな気持ちにさせてくれるイランイランは、心だけでなく体やお肌へも良い働きをするため、幅広い用途で活用されています。

<イランイラン>
主な産地:熱帯アジア
開花時期:5〜10月
採油方法:水蒸気蒸留法

「秘密の恋」「真実の愛」/ミモザ

濃厚でやわらかなフローラル系の香りが特徴のミモザ。
インディアンは、男性から女性へプレゼントする「愛の儀式」としてミモザの花が使われてきました。ミモザには他にも「感謝」という花言葉がよく知られていますが、イタリアでは男性から女性へ感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈る習慣があります。

フレグランスとしても昔から人気が高い香料のひとつであるミモザは、おだやかな気持ちにさせてくれたり、ストレスが原因でひき起こる体の不調をやわらげる効果も期待できます。

<ミモザ>
主な産地:オーストラリア
開花時期:2〜3月
採油方法:溶剤抽出法

「結婚式」「花嫁の喜び」/ネロリ

ビターオレンジの花から採れる香りで、柑橘系の爽やかさとフローラル系の華やかな香りが特徴のネロリ。
ギリシャ神話では、神様ゼウスが結婚をするとき、相手であるヘラにオレンジの花を贈ったと言われています。以降、オレンジの花は結婚や出産などの祝いの場で使用されるようになったそうです。
香りの効果は、不安感や緊張を解して気持ちを和らげたり、交感神経を鎮める働きがあります。

また、お肌のシワやたるみを防ぐことも期待できるため、アンチエイジングなどのフェイシャルマッサージにも適しています。

<ネロリ>
主な産地:イタリア、エジプト、スペイン、フランスなど
開花時期:2〜3月
採油方法:水蒸気蒸留法(開花した直後の花から抽出される)

2.気持ちにまつわる花言葉と香り

「逆境に耐える」「仲直り」/カモミール(カミツレ)

カモミールという名前は、古代ギリシャ人が「カマイメロン(大地のリンゴ)」と読んでいたことが由来と言われています。その名の通り、りんごのようにフルーティでやや青みを帯びた香りが特徴のカモミール。

品種は複数あり、一重咲き・八重咲きなど様々。香りの世界では、ジャーマンカモミールやローマンカモミールなど細かく呼び名が分かれています。
カモミール精油を用いて作ったオイルを使用すると、肌のキメが整ったとの報告もあるそう。
夜のセルフマッサージに取り入れたいですね。

<カモミール>
主な産地:イギリス、イタリア、フランスなど
開花時期:3〜5月/6〜7月(品種による)
採油方法:水蒸気蒸留法

愛想のよい」「優美」/ジャスミン

ジャスミンと名がつく植物は、200を超える種類がありますが、精油が採れるのはそのごく一部。ジャスミンティーの香り付けに使用される「茉莉花:マツリカ」とは異なります。

フローラルな香りをもち、深みのあるコクと、ややスパイシー感のある香りが特徴的。
香水などにもよく用いられますが、たくさんの花からわずかしか取れない貴重な香りです。

気持ちを楽観的にしてくれるジャスミンの香りは、体を温める作用もあるとされています。
精油には皮膚刺激があるので、スプレーなどの芳香浴がおすすめです。

<ジャスミン>
主な産地:インド、エジプト、フランスなど
開花時期:4〜5月
採油方法:揮発性有機溶剤抽出法

「尊敬」「信頼」/ゼラニウム

花の色によっても花言葉は異なり、数ある品種の中でも精油が採れるのはその一部です。
ローズオキサイドという成分を含み、ややローズを感じるグリーンとフローラルな香りが特徴的。

精油が採れるのは花ではなく、実は「葉」の部分。ゼラニウムの香りは、女性ホルモンに有意に働くため、女性特有の悩みへの活用が期待されています。

<ゼラニウム>
主な産地:エジプト、フランス、モロッコなど
開花時期:4〜6月/9〜11月(品種による)
採油方法:水蒸気蒸留法

3.人柄にまつわる花言葉と香り

「謙虚」「気高い人」/キンモクセイ(オスマンサス)

秋になると、街中を鮮やかなオレンジ色の花で彩るキンモクセイ。
ギリシャ語で「香り高い花」という意味をもつ通り、遠くからでもその華やかな香りを感じることができるほど芳香力が強い植物です。

中国や台湾では、旧正月にお菓子やお茶に混ぜる桂花茶として楽しまれています。

体の冷え改善や呼吸器炎症の鎮静、肌や髪のケアにも効果があるといわれています。心理的には、心を鎮め、気持ちを明るく保ち幸せな気分にさせてくれるのだとか。

<キンモクセイ>
主な産地:中国
開花時期:9〜10月
採油方法:溶剤抽出法

「気品」「内気な乙女」/プルメリア

精油の世界ではフランジュパ二と呼ばれています。
ハワイやバリなど熱帯地域で生息し、花を見るだけで南国気分を味わうことができます。
エキゾチックでフローラルな香りが特徴で、古くから香料としても重宝されてきました。

落ち込んだ気持ちを癒したり、不安やストレスにも効果が期待できる他、冷えの改善にも用いられることもあります。生理を促す効果もあるため、妊娠中の使用は禁忌です。

<プルメリア>
主な産地:ハワイ、メキシコ、キューバなど
開花時期:5〜9月
採油方法:揮発性有機溶剤抽出法

「爽快」「凛々しさ」/レモングラス

ジンジャーとレモンの香りを合わせたような、やや力強い香りが特徴。シトラールという成分がこのレモンの香りを作り出しています。
イネ科の植物ではありますが、時期になると猫のひげのような白い花を咲かせます。

精油に使われているものは、主に西インド地域で採れるもの。東インド地域で採れるものは、シトラール含有量が少なく土のような香りが強いため、薬用や洗剤などに用いられます。
眠気覚ましや集中力を高めたい時などに効果が期待されます。

<レモングラス>
主な産地:インド
開花時期:7月ごろ
採油方法:水蒸気蒸留法

花言葉と香りに想いを託して。
“なりたい自分”を想像して、花言葉から香りを探す旅をしてみませんか。
素敵な花言葉をもつ香りを贈ると、相手を思う気持ちもより伝わるはず。記念日や大切な場面での香り選びにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

参考
公益社団法人 日本アロマ環境協会 出版
アロマテラピー検定 公式テキスト1級・2級(2020年6月改訂版)

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