香りと旅して

社員コラム

エネルギーに満ち溢れたバリ 〜サーフロケ〜

メディア発信の制作を担当をしています、シュウジです。
今回は普段 商品の撮影などを行っている私が、久々にインドネシア出張へ行った時の話をご紹介します。

約3年ぶりの海外出張

世界中が縛られ続けてきたあの危機からようやく解放されたこのタイミングで、自社のサーフブランド「PADROL」がメインスポンサーを務める「WSLアジア地域WLT代表決定戦」へ行く事に。
やんわ〜り説明するとロングボードのワールドカップ出場権がかかっている大事な大会です。
※詳しくはこちら

そんな偉大な大会と同じくらい大事な事、それは家族への出張報告。

妻にお土産と引き換えに約5日間 家事育児を託す交渉をし、まだ理解しきれない1歳半の息子にも当分出張でいなくなることをなんとなーく説明。
(本人はキョトンとしておりましたが)

お留守番の妻は、長期戦に向けて冷凍食品を多めに買い込んでおりました。
どうか流行している風邪にかかりませんように…

さあいよいよ出張当日の早朝。
いつもの出勤時よりだいぶ早い時間にカメラ機材やら着替えなど諸々の大荷物をキャリーで引っ張りながら駅へ。

自宅近くは田んぼに囲まれていて、ちょうど田植えを始めようとしている初夏の時期。湿度のせいか家畜っぽい肥料臭と朝露の香りが入り混じり、駅までの道のりがいつもの通勤よりなぜか新鮮に感じました。(いい意味です)

駅に向かう途中で忘れ物がないか改めて脳内をグルグル。

通勤とは違う行き先の電車に乗るこの程よい緊張感。私、結構あの感覚が好きなんですよ。
しかも移動中は仕事で味わえないちょっとした休息にもなるし。(指定席サイコー)

成田までの道のりは盛大に割愛します。

バリ到着

無事に色々と手続きを終え、成田AM11:00頃のフライト。
機内での程よい高揚感と、ちょっと違和感のある和風の機内食を堪能し、バリにはPM18:00頃に到着。
移動中は、本でも読もうか映画見ようか色々と考えてましたが、結局別の案件の動画制作をしてました。真面目か。

バリの玄関口、「ングラ・ライ国際空港」へ到着!
構えてはいましたが、エントランスを出た瞬間の湿度がヤバい!訪れたのは6月ということもあり、日本のうだるような湿気とは違い、爽やかな風がちょっと湿っぽいって感じ。(伝わるかなコレ)

着いて早々、慌てて上着を脱ぐスタッフ。

個人的には結構好きな気候かも。
それよりも気になったのは、何故か空港全体が「蕎麦屋」のような香りだったこと。とってもダシが効いてるみたいです。

現地スタッフに迎えられ、観光ガイドでごった返してる空港の駐車場を掻い潜ってなんとかホテル方向へ。

ガイドの人は気を利かせて、車内のクーラーをガンガン効かせてくれます。私はその親切心を無視して外の活気を味わうため窓を全開に。

送迎車から見えるバリの景色はなんだか活気に満ち溢れていて、海岸沿いのメイン通りから見える路地は、血管のように細かい道が内陸に向かって広がっています。
細い路地でも多くの人で賑わっていて、所々出ている屋台では胃袋を刺激するようなスパイシー&ジューシーな香りが!

なぜか馬車の姿も。浅草の人力車的な観光業かな?

ひとつ驚いたのは交通事情。
道路は特にバイクが密集しています。
まあここまではアジア圏でよくみられる光景ですが、なんと言うか、人同士がピリピリしてないんですよ。

クラクションが鳴り響いて、割り込みまくってるのに何故かハッピーな雰囲気で交わされている。まるでクラクションが鳥のさえずりのように会話する感覚というか。

日本でこんなことしたら今流行りの「あおりなんちゃら」になるでしょう。
この様子はぜひ一度現地で体験してみてほしいですね。

なんなら歩道を乗り上げながら掻い潜って行くバイク。

みんなで渡れば怖くないネ。

目的地 クタビーチへ

くだらない話が長くなってしまいましたが、今回の私のミッションは、カメラマン及びビデオエディターとして、大会の様子や新商品のイメージカットを行うこと。(バカンス気分でちょっとだけ忘れてた)

早速ホテルで事前のすり合わせ。
大会やプロサーファーに詳しい現地のカメラマンには、テイクオフの瞬間などを任せつつ、私は観客や運営スタッフ、試合前後の選手の表情など現場の雰囲気をメインに撮影を行う事に。

このすり合わせが結構大事で、その目的によって用意する機材を大幅に変える必要があります。
特に最近は、SNSもあるので縦向きの構図がどれくらい欲しいかなども必ず聞くようにしています。

序盤はスタッフが準備する様子などをおさえるから引きの風景よりも寄りの構図だよな〜とか、試合が始まったら全体の雰囲気の奥行き感つけた画がほしいからジンバル(カメラに取り付けるとブレが無くなる鉄の棒みたいな機械)が必要だよな、とか、後半になったらヒートアップするし、応援するみんなの表情を1枚で押さえたいから広角レンズにしとかなきゃな、とか。

そういう細かい想定を頭の中でイメージしながら、どの機材を持って行くかを慎重にチョイス。

特にジンバルは、5kg程の重さがあり、肩にはもう1台のスチール用に備えたカメラも背負い、バックパックには予備バッテリーやタオルなど細かい道具を積んで挑みます。

もう「ビーチサイコー!」とか言ってられません。

しかも今回のロケは、ビーチ。
クーラーが効いてるスタジオとは違い、潮風で舞う砂とベッタベタになる海水、日本とは比にならない強い日差しとの戦いで、現地に立った瞬間みるみるHPが削れていくのがわかります。

開催地のクタビーチとその周辺の朝の様子
写真で見ると涼しげなんだけどなぁ。

大会前日

色々と脳を働かせた身体をなんとか素敵なホテルでリセットさせ、程よい高揚感を残しつつ起床。
早朝6時。

サーファーはみんな朝が早い。元気である。

私はもちろん撮影側なので波に乗る事はないけれど、朝から元気なスタッフたちのテンションにはしっかりと乗っかりつつ、ひと足先に周辺をテスト撮影。

現場で「機材が壊れたー」とかシャレにならないので、改めて細かい調整を行います。

相手も撮影慣れしたモデルさんではなく、あくまで選手なので「どの位置からどう動くか」「何時からどうなるか」など、リテイクができない瞬間を押さえるため、その辺もしっかりイメージして挑みます。

試合の話は一旦この辺で。
詳しく知りたい方は「PADROL ロングボードクラシック2023」で検索してみてくださいね。

この出張で得たもの

話は全然変わりますが、海外って普段日本では目にすることのない人種や景色、なんならゴミまでもがオシャレに見えてくるの不思議だと思いませんか?

見るもの全てが画(え)になりすぎて、せっかくの海外なのに職業病爆発。色々シャッターを切りたくなって、気がつくとファインダーしか覗いてないのです。

特にインドネシアに来て驚いたのが、植物の青々とした色。気候の影響なのか日本よりも新緑のような瑞々しい緑が溢れていて、まるで補正でもしたかのような鮮やかなカットがたくさん撮れるんですよ。

今回宿泊したホテル「グランド イスタナ ラマ」

現地の人が身にまとう服や車も、華やかになる理由がなんとなく分かった気がしました。
観光地ということもあるだろうけど、人々がみんな笑顔でメローな雰囲気が溢れるくらい漂っているのです。
大会スタッフや選手だけでなく、その辺の工事のおじさんや警備員さんもです。
これはみんな日本に帰りたくなくなるわけです。

私はここ15年近くデザインに関わる仕事ばかりをしてきて、特に窮屈に感じた事はあまりありませんでした。むしろ色々な制約の中でこなすデザインという分野に面白さすら感じています。

ただ、海外へ足を運ぶたびに自分の表現の狭さにハッとすると言うか、「もっと自由でいいんだ」と心洗われる感覚になるんです。

考えても得られない”何か”が外の世界にはこんなにも溢れているんだなと。そして、それが溢れているからこそ、色としてこの街全体に出ているんだと。
このコラムを通じて、普段の生活の中にある楽しみ方や感じ方に何かいい刺激を伝えることができたら嬉しいです。

最後に

今回の旅(たぶん仕事)で一番長い時間を共にした高城修造さん。鎌倉長谷でBarberを経営されています。文頭で紹介したPADROLで、アパレル商品の撮影をしたので現地の香りと共に少しばかり写真をお裾分けします。
ではまた。

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