ネコの気になるニオイ
室内で猫を飼っている方のお悩みのひとつに「ニオイ問題」がありますよね。そこで今回は、猫特有の匂いの原因や猫のアロマ問題、そして「猫吸い」したくなるほど良い匂いがする秘密など、猫にまつわる『ニオイ』についてご紹介します。
1.ネコの気になるニオイの原因は?
かわいい飼い猫のニオイは気にならない!という方も、自宅に人を招く時や、暑くなる時期には「家のニオイ大丈夫かな……」と不安になりますよね。
猫特有のニオイの原因には、主に「排泄物のニオイ」と「猫の体臭」の二つがあります。それぞれ詳しくみていきましょう。
排泄物のニオイ
猫は元々砂漠地帯に住んでいた動物。少量の水でも生きていけるため出す尿の量も少なく、老廃物が凝縮されているのでニオイもきついのが特徴です。また、肉食動物なので糞のニオイも臭くなります。
さらに、オスの猫は去勢をしていないと「スプレー」というマーキング行為をします。しっぽを立てて、壁などに向かって強烈なニオイの尿を飛ばすので、掃除をしてもニオイが残ってしまうことも。
猫が排泄をしたら、すぐに掃除をすることが一番のニオイ対策です。一日に一回は排泄物の処理をする、一ヶ月に一回は猫砂をすべてを入れ替えてトイレを丸ごと洗うなど、トイレのお掃除はこまめに行うことが大切です。
猫はトイレが汚れていると排泄を我慢したり、他の場所で粗相をすることもあります。飼い主が不在にしている時間が長く、すぐに掃除ができない場合には、トイレの個数を増やすなどの対策も効果的。
その他、ニオイを抑える成分が配合されたキャットフードを検討してみたり、ニオイが広がりにくいカバー付きのトイレを選んでみるのも◯。最近では自動でお掃除をしてくれるトイレも登場。ときどき最新のトイレグッズをチェックしてみるのもおすすめです。
猫の体臭は病気のサイン?
猫はもともと狩猟動物のため、ニオイはほとんどしないと言われています。これは狩りをする際、体臭があると獲物に気付かれてしまうから。猫が毛づくろい(セルフグルーミング)をするのはこの習性が関係しているのだそう。念入りに体を舐めて、体についた汚れやニオイを取り除いているので、体臭が少ないのです。
また、猫が汗をかくのは鼻と肉球の部分だけで、体全体は汗をかきません。飼い主がブラッシングをしていれば、余計な抜け毛を取り除いたり、汚れを取ることができるので、「体臭対策」は特に必要ありませんが、もし体の一部から嫌なニオイを感じたら、それは病気のサインかも。
口臭は、歯肉炎や口内炎、胃腸や腎臓の病気が潜んでいる場合もあります。耳のニオイは外耳炎の可能性があり、体のニオイはケガをしている傷口が化膿していたり、皮膚炎を起こしている場合もあります。
猫の体のニオイに異変を感じたら、動物病院を受診するようにしましょう。
肛門腺に分泌物が溜まっていると肛門周りからニオイがすることがあるので、定期的に絞り出してあげることも必要です。
気温や湿度が高くなる時期はニオイも強くなり、家を閉め切っているとニオイもこもりがち。こまめに換気をしたり、空気清浄機を活用するなど、意識的に対策を行いたいですね。
2.ネコにアロマは危険?
癒しやリフレッシュなどに効果的な「アロマ」ですが、実は猫にとっては有害だってご存知でしたか?
アロマテラピーなどに使われる精油(エッセンシャルオイル)は、植物の成分がぎゅっと濃縮されているため、たとえ少量でも猫の体には大変危険なもの。猫は肉食動物のため、植物を消化分解する酵素を体内に持ち合わせていません。そのため、精油の植物由来成分が体内に入ると中毒症状を引き起こす危険があるのです。過去にはティートリーやペパーミントの精油で体調を崩したという事例も報告されています。
精油成分を含んだディフューザーは呼吸によって体内に入ってしまったり、精油の付いた手で猫を撫でるとその成分が猫の被毛に付き、毛づくろいのときに体内に取り込まれてしまう恐れもあります。
もしも猫への影響を知らずにアロマを使用して、よだれを垂らす、嘔吐する、下痢、失禁、めまいなど、いつもと違う症状が表れた場合には、必ず動物病院を受診するようにしてください。また、すぐに症状が出なくても、中・長期に渡ってアロマの影響が猫の体に蓄積され、数年後に症状が表れる場合もあるとされているので注意が必要です。
現在、猫とアロマに関する十分な研究結果はありませんが、猫にとって危険とされている精油やアロマ製品は避けておくのが良いでしょう。猫のいる空間で使わない、家に持ち込まない、といったことが一番の対策になります。
3.「ネコのニオイが好き!」
「日なたぼっこしたあとのネコのニオイが好き」
「耳の辺りのニオイが好き」
など、飼い猫のニオイに癒されている方も多いですよね。最近では、猫の被毛(ひもう)に顔をうずめてニオイを嗅ぐ「猫吸い」というワードも出るほど、SNSやネットでも話題になっています。
では、「猫のニオイ」は一体どんなニオイなのでしょうか?
よく聞かれるのが「香ばしいニオイ」「お日様のニオイ」「ポップコーンのようなニオイ」「パンやクッキーのような甘いニオイ」など。
動物の毛は温まるとニオイが強くなる性質を持っています。猫はよく日なたぼっこをするため、被毛が温められて香ばしいニオイがするようです。
また、甘い香りがするのは、猫の体内に洋菓子の材料となる動物性脂質やたんぱく質に似た成分が備わっているからだと言われています。
さらに、猫の毛は密集して生えているためニオイを取り込みやすく、洗濯物の香りや飼い主の手についたハンドクリームなどのニオイまで移ることがあります。
猫のいいニオイとふわふわの毛並みが相まって、猫ちゃんと密着して過ごす時間は、飼い主さんにとって至福のリラックスタイムですね。
いかがでしたか?
かわいい猫ちゃんとの暮らしをもっと楽しく、快適にするために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考サイト
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