香りと旅して

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はじめてのアロマライフ ー安全に使用するための心得ー

「精油(エッセンシャルオイル)に挑戦してみたい!」そう思い立っても、実際にどこで購入できるのか、どのように選んだら良いのか、お悩みポイントがたくさん!
今回は、そんなアロマ初心者さんに向けて、購入するときのポイントや保管方法、安全に楽しむための心得をお伝えしていきます。

1.精油の正しい選び方

よく耳にする「アロマオイル」とは、香りのあるオイルの総称を言い、合成の香料やオイルなどで希釈されたものも含まれます。
その中でも、「精油(エッセンシャルオイル)」は、植物の葉や花、根などから抽出された天然のエキスです。
精油の香りは、癒しやリラックス効果をもたらしたり、集中力を高めてくれたりと私たちに様々な効果を与えてくれます。
アロマライフを楽しむためには、この “精油” を選ぶことが大切。
現在では数えきれないほど精油の種類も多く、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
ここでは、精油を購入する時のポイントを4つご紹介します。

<ポイント①>アロマ専門店で購入する

インターネットや通販などで手軽に買うこともできますが、初心者の方は、知識の豊富な販売員のいる専門店で購入するのがおすすめ。
精油に関する情報を聞いたり、使用方法を相談しながら探すことができるので安心です。
実際に香りを試せるので、お気に入りの香りを見つけてみてください。

<ポイント②>天然精油であるかを確認する

100%植物抽出の精油を購入する場合は、以下の3つを確認してみましょう。

・「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」と表記がある
・植物の「学名」が記載されている
・抽出部位と抽出方法が記載されている

<ポイント③>遮光瓶に入ったものを選ぶ

精油は光や熱によって成分変化するため、市販されている物の多くは遮光性のガラス瓶に入っているのが一般的。
精油が1滴ずつ出せる中栓付き、もしくはキャップにスポイトが付いたタイプが扱いやすいのでおすすめです。

<ポイント④>いろいろな香りを試してみる

いろいろな種類の香りを嗅いで、イメージを広げてみましょう。香り選びで大切なのは、自分にとって心地よいと感じること。
香りの好き嫌いは人それぞれ異なるので、好きな香り、興味を持った香りからはじめてみましょう。

2.精油の保管方法

精油は植物から抽出された100%天然成分のため、防腐剤や保存料は入っていません。
一度開封して空気にふれると、空気中の酸素と反応して徐々に「酸化」が起こります。

酸化した精油は、本来の効果がなくなるだけでなく、肌へ悪影響を及ぼす可能性もあるため、空気にふれないよう注意して保管することが大切です。
使用後はキャップをしっかりと閉め、瓶は立てて、直射日光の当たらない冷暗所に置いて保管します。エアコンの温風が当たる場所も避けましょう。夏場は、湿度にも注意が必要です。

精油は、開封後1年以内が使用の目安と言われています。特に柑橘系のものは他と比べて成分変化が起こりやすいので、使用前には必ず香りを確認しましょう。

・酸化しやすい精油
オレンジスイート、グレープフルーツ、マンダリン、ライム、レモン など

3.精油を安全に楽しむために

精油を正しく扱うために、以下の項目に注意していきましょう。

直射日光に当てない

精油の成分には日光などの紫外線に反応することによって、皮膚に炎症や色素沈着を起こす可能性があるものがあります。
この反応を光毒性といい、光毒性のある精油を皮膚に使用する場合は注意が必要です。
近頃では、光毒性の可能性のある成分を取り除いた精油も販売されており、ベルガプテンフリーもしくはフロクマリンフリーとしてラベルに記載されていますので、購入する際はチェックしましょう。

・紫外線に気をつけたい精油
グレープフルーツ、ベルガモット、レモン など

原液を直接皮膚につけない

精油は、植物の香り成分が凝縮されています。原液のままでは刺激が強いため、皮膚に使用する場合は、必ず希釈してから使うようにしましょう。
万が一、原液が皮膚についてしまったら、すぐに大量の水で洗い流します。赤み、刺激、発疹など皮膚に異常がみられた場合は、医療機関を受診してください。

精油を飲用しない

日本では一般的に精油は医薬品や食品ではなく、「雑貨」として扱われています。そのため、希釈したものであっても飲用に使用することや他の食品と一緒に摂取すること、うがいに使うことはやめましょう。万が一、飲み込んでしまった場合は吐かせずに、すぐに医療機関を受診してください。
受診する際は誤飲したアロマオイル(精油)を持参しましょう。

精油を目に入れない

目は皮膚よりもデリケートな部分のため、より一層の注意が必要です。オイル(精油)が付いた手で目をこすったりしないようにしましょう。
万が一目に入った場合は、すぐに大量の水で洗い流します。絶対に目をこすらずに、速やかに医療機関を受診してください。

火気に注意する

精油は引火しやすいため、キッチンなど火気を扱う場所での使用は控えましょう。精油を用いた手作りの化粧品や掃除用品などを使用する場合にも注意が必要です。

子どもやペットの手の届かない場所に置く

誤飲などの危険があるので、保管場所には十分注意しましょう。

4.注意が必要な対象者とは

アロマを安心して楽しむためには、健康状態や体質、感受性などに配慮することが何より大切。不快感や異変を感じた場合には、使用を中止しましょう。

・妊娠中/授乳中の方
妊娠中、授乳中の方は体調が揺らぎやすい時期。香りを楽しむ芳香浴であれば、問題はありませんが、トリートメントなど皮膚につける場合は、医師や経験豊富な専門家に相談しましょう。自己判断でのご使用は控えてください。

・3歳未満の幼児
3歳未満の幼児は芳香浴以外は行わないようにしてください。3歳以上の子どもに使用する場合も、精油は、成人の10分の1の量からはじめてみましょう。多くても2分の1程度の量にし、様子を見ながら使用してください。

・高齢者や既往歴のある方
介護やケアの現場では、「アロマテラピー」が用いられることが多くあります。しかし、施術を行うのは経験豊富なプロの方。自己判断で行う場合は十分な注意が必要です。
特に、てんかん、高血圧、糖尿病、肝臓・腎臓疾患など持病のある人には注意しましょう。

・皮膚の弱い方
敏感肌の方、特にはじめてアロマ(精油)を利用する方は希釈濃度に注意しましょう。トリートメントオイルやボディスプレーなど、皮膚につける場合は精油の濃度を低くしてから試してみましょう。
不安な場合は、使用前に医師や専門家に相談する、パッチテストを行うなど下準備が必要です。

今回は、アロマ初心者さんに向けた精油の選び方や安全な使い方をご紹介しました。精油は正しく使えば、体や心に良い効果をもたらしてくれます。正しい扱い方をマスターして、充実したアロマライフをお楽しみください。

参考サイト
アロマテラピーとは | 安全に楽しむために | 公益社団法人 日本アロマ環境協会

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