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季節の香り「春の香り」

「季節の香り」を感じたことはありますか?
なぜ季節の変化に合わせて香りを感じるのか、その理由を探りながら、代表的な「春の香り」をご紹介していきます。

1.「季節の香り」の正体とは?

季節の移り変わりを気温や空模様、景色などで感じる人もいれば、中には「香り」から気が付くという人もいます。季節の香りは、春夏秋冬で微妙な違いがあり、私たちはそれを繊細に嗅ぎ分けています。
季節に匂いがあると感じるのには、いくつかの理由があげられます。

・気圧や湿度の変化

・気温の変化による体感の違い

・季節による開花する花の違い

・湿度による土壌の変化

・過去の経験や記憶

私たちは季節の移り変わりとともに起こる、様々な変化を無意識に感じ取り、「季節の匂い」として判断しているのです。

春は花々の開花の他、低気圧と高気圧が交互に通過するため、天気も周期的に変わりやすい季節。さらに日中と夜間の気温差が大きく、日々の気温変動も大きくなるので、より一層香りを感じやすくなると言われています。

都会で暮らしていると、自然の匂いを季節の匂いとして感じることは難しいですが、アスファルトの乾いた匂いや、花粉などでも春を感じることができるのではないでしょうか。

さらに日本は、世界でも珍しく「四季」がはっきりと分かれている国。
気候の変化が多様な国に住んでいるからこそ感じ取れる「季節の香り」を、これから一緒に探していきましょう。

2.春といえばこの香り!

「春の香り」で思い浮かべるのは、どんな香りでしょうか。
暮らしている地域やこれまでの経験などによってそれぞれ違いがあると思いますが、ここでは代表的な春の香りをご紹介していきます。

■桜

ふわりとした上品な香りが特徴の桜。桜並木の下を歩いていると、ほんのりと感じ取れるかもしれません。
より桜の香りを感じるためには、花びらや葉を塩漬けにすると良いでしょう。桜がもつ糖分と塩分が反応することによって、より香りが立つと言われています。

■沈丁花(ジンチョウゲ)

日本では室町時代頃から栽培されていたとされる、春の花「沈丁花」。
初夏に咲く「梔子(クチナシ)」、秋の訪れを告げる「金木犀(キンモクセイ)」と合わせ、三大香木と呼ばれています。
中でも沈丁花は、遠いところまで届いてしまうほどの強い香りを放ちます。フローラルな香りの中にレモンのような爽やかさも合わせ持つ、上品な香りが特徴です。

■梅

桜よりひと足早く咲く梅の花。
白梅や紅梅、種類によっても香りは微妙に異なりますが、ジャスミンやクチナシに似ており、ほんのりと甘さを感じるのが特徴です。
奈良時代では、お花見と言えば桜ではなく、梅だったのだそう。日本各地の天満宮では、梅の花がシンボルとして挙げられており、季節になると梅の名所として観光客を楽しませています。

■ミモザ

春になると、ふわふわとした黄色いミモザの花が、花屋の店先に並び始めます。
香水の原料にも多く使われていますが、やわらかな花のイメージとは異なり、素朴でナチュラルな樹木やグリーン系の香りを感じます。
生活雑貨では華やかな香りとして紹介されていることが多いのですが、ぜひこの時期にしか出会えない、生の花の香りを感じてみてください。

この他にも、春は様々な植物が花を咲かせ始め、香りが賑わってくる季節。
過ごしやすい日も増えてくるので、香りを探しに散策してみてはいかがでしょうか。

参考
薬草に親しむ-春の香りは沈丁花 | くすりの博物館|エーザイ株式会社
春の甘く強い香りの正体は「ジンチョウゲ」|ウェザーニュース
3月の天候や気圧変化の特徴と気象病~気温変化が大きく春バテに注意|頭痛ーる

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