香りと旅して

香り

クリスマスに楽しみたいのはこの香り!

みなさんはクリスマスというと、どんな香りを思い浮かべますか?スパイスや柑橘系、もしくはケーキのような甘い香りなど…。
今回は、クリスマスにぴったりな香りやその歴史、クリスマス飾りとしても人気の「ポマンダー」の作り方についてご紹介します。

1.クリスマスをイメージする香り

ドライフルーツやナッツがたっぷりと入ったシュトーレンや、人形の形をしたジンジャークッキーなど、この時期ならではの食べものの香りは、まさにクリスマスを連想させる香りといえます。

クリスマスのスイーツ作りには、オレンジやマンダリンなど、甘くて温かい印象の柑橘系の香りがおすすめです。
クリスマスを代表するお菓子シュトーレンやパネトーネの中にもオレンジピールが入っていたり、ツリーのオーナメントにもドライオレンジなどが用いられています。

他にもクリスマスに欠かすことのできない香りといえば「スパイス」です。
先ほどあげたジンジャークッキーには、ジンジャーやシナモン、クローブなどを混ぜて焼いています。古くから香りの強いスパイスは魔除けの意味があるといわれていたそう。

2.クリスマスに飲みたい「グリューワイン」

グリューワインはドイツ発祥のホットワインです。古代ローマの兵士たちが体を温めるために飲み始めたのが始まりとされています。

今でもその作り方はほとんど変わっておらず、鍋に入れた赤ワインに、柑橘類や砂糖、シナモン、クローブ、スターアニスなどのスパイスで風味をつけていきます。
本場ドイツのクリスマスマーケットでは、店舗ごとにデザインの異なるカップで提供されるため、お気に入りを見つけるのも楽しみのひとつ。

注文時にカップ代を支払い、飲み終わった後に返却するとデポジットとして返金されるという仕組み。もちろん気に入ったらそのまま持ち帰りもOKです。

日本でも各地でクリスマスマーケットが開催されるようになったので、訪れた際にはぜひグリューワインを見つけてみてくださいね。

3.クリスマスポマンダーを作ろう

16世紀ごろの中世ヨーロッパでは、柑橘とスパイスを用いたクリスマスポマンダーという香りの魔除け(お守り)が誕生しました。劇作家シェイクスピアが活躍した時期でもあったため、劇中にも登場しています。

日本ではあまり馴染みがないクリスマスポマンダーですが、ヨーロッパでは今でも絵本や絵画の中でもよく見られるクリスマスの風物詩です。

そこで今回は、クリスマスポマンダーの作り方をご紹介します。用意するものはこちら!

【材料】
1.小さめのオレンジ 1個
2.クローブ(ホール) 約30g
3.シナモン(パウダー) 適量
4.リボンまたは紐 適量
5.テープ(リボンと同じくらいの幅のもの) 適量
6.ビニール袋 1枚
7.竹串 1本

【作り方】
①新鮮なオレンジを用意し、十字にビニールテープを巻いていきます。

②テープを巻いていない部分に竹串を使って2〜3mm間隔で穴をあけ、そこにクローブを刺していきます。クローブはテープに沿って等間隔に刺し、周りを一周してから内側を刺すときれいに仕上がります。


③全面にクローブを刺し終えたらテープを外し、オレンジをビニール袋に入れて、シナモンを振りかけます。ビニール袋をよく振って、シナモンを全体にまぶします。

④水分が抜けるように、余分についたシナモンを竹串で取り除きます。

⑤ネット袋に④を入れ、風通しのいい場所に吊るして乾燥させます。
ときどきビニール袋に入れて、シナモンをまぶしてから取り除く作業を3日ほど繰り返します。
1か月ほど吊るして乾燥させればでき上がりです。

テープの部分にリボンを結べば、クリスマスのオーナメントやお部屋のインテリアにぴったり。
フレッシュな香りが楽しめます。

4.聖なる香り「乳香」「没薬」

クリスマスはキリスト教にとって1年で最も大切な日。そんなクリスマスに古くから馴染みのある「乳香(にゅうこう)」と「没薬(もつやく)」についてご紹介します。

イエス・キリストが誕生した時、東方の三博士と呼ばれる占星術の学者たちがお祝いに駆けつけたというエピソードは有名ですが、その時に贈られたのが「乳香」「没薬」「黄金」でした。
「没薬」と「乳香」は、どちらも樹脂から抽出される香料ですが、それぞれの香りの印象や働きはまったく異なります。

当時、乳香と没薬は黄金と同等の価値があるものだったとされています。
「乳香」は祈りの象徴。イエスが神から命を授かったこと、そしてイエス自身が神であることを表しています。
「没薬」は死の象徴。イエスが世界の罪を負い「神の子」として死ぬためにこの世に生まれ、そしてやがて復活することを表すものとされています。

アロマの世界では「乳香」はフランキンセンス、「没薬」はミルラという名称で扱われています。

クリアでウッディーなフランキンセンス、ムスクのような濃厚なミルラは、どちらもシナモンとの相性が◎。
シナモンスティックにそれぞれの精油を1〜2滴ずつ垂らすと、香りが調和して、スパイシーで温もりある雰囲気が楽しめます。
束にしてクリスマスツリーやリースの飾りとして、お部屋に香りを広げるのもおすすめです。

クリスマスにまつわる香りは、どれもわたしたちの心をホッと温めてくれるようなものばかり。温かみのあるやさしい香りを取り入れて、味覚や嗅覚から今年のクリスマスをさらに楽しみましょう。

参考サイト
クリスマスにぴったりの香りは? オレンジ、シナモン、フランキンセンスをベースに| tenki.jp
アロマ世界史 クリスマスと香りの歴史|くるみ薬局

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